こんにちは、さくさくです。
このブログでは散々書いてますが、乳がんの手術を受けた後、肩が痛いです。
手術を受けた乳腺外科の先生に相談しても「どんどん動かせば、よく
なりますよ」としか言ってくれません。
でも、どんどん動かす以前に、痛すぎてメンタル病みそう。
ネットで検索しても、私のように乳がんの手術を受けた後、肩が痛くて困っている事例がみつかりません。
「乳がんの術後、こんなに肩が痛くて困っているのは私一人なのか!?」と思いましたが、そうではないようです。
世の中の、乳がん手術後の肩の痛みで困っている方たちのために、私の経過と体験談をまとめます。
乳がんの手術と肩
乳がんの手術を受けると、胸から脇にかけてメスが入ります。
その傷がつっぱるために、腕や肩が動かしにくくなることがあります。
同じ乳がんの手術でも、部分切除の場合は影響が少ないようです。
入院中、病棟の合同リハビリでお会いした部分切除術を受けた方は皆さん、スムーズに腕が上がっていました。
私は乳房全摘術を受けたので、手術直後は肩の高さまでしか腕が上がりませんでした。
腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)
乳がんの手術で、乳房を摘出すると同時に、わきの下のリンパ節を切除することがあります。
これを腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)といいます。
乳房近くやわきの下のリンパ節は、乳房のがん細胞から近い場所にあるので、転移しやすいと考えられています。
以前は、ほとんどの乳がんの手術で腋窩リンパ節郭清が行われていたそうです。
しかしリンパ節を切除すると、腕のむくみや痛みが生じたり、リンパ浮腫を発症することがあります。
手術の後遺症で、生活に支障を感じる患者さんも多かったようです。
現在は、乳がんの手術中にセンチネルリンパ節生検を行い、陰性(転移なし)ならリンパ節郭清を省略することができます。
私も、センチネルリンパ節生検が陰性だったので、腋窩リンパ節郭清は受けずに済みました。
入院中のリハビリ指導
手術後数日して、ベッドから立って歩けるようになると、リハビリが始まります。
手術を受けた側の腕が上がらないので、元通り動かせるようになるのが目的です。
私の入院した病院では、平日の午後に15分程度の合同リハビリテーションがありました。
看護師さんの指導に合わせて、腕を上げたり肩を回す簡単な運動です。
「今は手術直後なので動きが悪いけど、繰り返しリハビリするうち、元に戻りますよ」
看護師さんは、こう励ましてくれました。
「この程度のリハビリを続ければいいんだな」
今考えると、安易にこう考えてしまったのが、肩の不調がこんなに長引く第一の失敗でした。
私の肩の経過
ここで、乳がんの手術から現在(術後6ヶ月と少し)までの肩の経過を詳しくご説明します。
今回は術後の肩の痛みがメインなので、再建した胸とお腹の傷の話はありません。
これは改めて別記事で、しっかりご説明したいと思います。
乳がん手術~退院まで
手術が終わって、麻酔から覚めた直後は寝たきりで体を動かせないので、腕や肩のことは全く気になりませんでした(笑)。
ベッドから立ち上がる許可が出て、身の回りのことを自分でやるようになると
あれっ?
左腕が全然上がらなくて驚きました。
洗顔するのも大変だし、シャワー浴の許可が出て体や頭を洗うのも難しい。
しかし病院内にいる分には、自分のことだけやればいいので、まだ楽でした。
動かないなりに動かせる
退院後、自宅に戻ると日常生活が始まります。
掃除や洗濯、買い物など体を動かす機会が格段に多くなります。
最初は洗濯物を干すのも大変でした。
しかし可動範囲が狭いだけで痛みはないので、動くこと自体は苦になりませんでした。
この頃は「こうして家事や日常生活を頑張ることもリハビリになるから」と前向きな気持でした(笑)。
病院で教わったリハビリは毎日やっていて、初心者向けのヨガレッスンにも行ってました。
腕は、上には上がらないけれど後ろには回すことができて、この頃はブラジャーのホックを後ろで止めることができました。
肩の可動域がどんどん狭くなる
退院後1ヶ月ほどして、肩の可動域が狭くなったことに気が付きました。
教えられたリハビリはやっていたので、少しずつ腕が上がるようにはなりました。
一方で、違う方向への動かし方が足りなかったのか、後ろに回らなくなりました。
退院直後は止められたブラジャーのホックも、止められなくなりました。
背中ファスナーのワンピースも、自分では脱ぎ着できなくなりました。
この時点で、一番簡単なクラスのヨガレッスンでもできないことが多くなり、しばらく参加を見送ることにしました。
肩が動かない&痛みが出た
「ヤバい、後ろに腕が回らなくなってる💦」
と気がついて自己流でストレッチをやりましたが、どんどん可動域が狭くなりました。
腰に手を当てることもできません。
左肩の動きが悪くなると、無意識に体全般動かさなくなるようで、右肩の動きも悪くなりました。
そして左肩甲骨のあたりに、鈍い痛みを感じるようになりました。
動き回ったり、歩いている間はあまり痛みを感じません。
じっと座っているなど同じ姿勢が続くと、痛みが出てきます。
長時間車で移動する時など、かなり辛かったです。
夜間痛が酷い
そのうち、夜間痛が出るようになりました。
夜間痛(夜寝ている間の肩の痛み)というのは、五十肩の特徴なのだそうです。
私は、乳がん手術の後遺症で、肩の動かし方が足りなくて五十肩のような症状になったところまでは自分で想像できました。
しかし
乳がん手術 術後 肩の痛み
などでは散々検索しましたが、五十肩で検索することに思いが及びませんでした。
夜間痛という言葉を知ったのも、つい最近です。
自分のリハビリが足りないだけだと思っていて、整形外科を受診することも考えませんでした。
夜、寝入って1時間ほどすると痛みで目が覚めます。
一度目が覚めると、右を向いても左を向いてもうつ伏せになっても、どんな体勢でも痛い。
痛さで眠ることができません。
やっと眠れたかと思うと、また1時間ほどで痛みで目が覚める。
毎日この繰り返しでした。
朝起きると、肩の痛みと睡眠不足でフラフラでした。
動いていると多少ほぐれるようで、肩の痛みが楽になります。
しかし睡眠不足で頭がぼーっとして、家事をやる気力もありません。
一日中、肩の痛みに悩まされながらソファでグダグダと過ごす悪循環が続きました。
とにかく肩が痛くて「この状況が続いたら、うつ病になるんじゃないか」と真剣に思いました。
乳腺外科の医師の対応
こんなに肩が痛くて辛い中、私も黙って何もしなかった訳ではありません。
手術を受けた病院で、術後3ヶ月後の診察を受けました。
手術を受けた側と健側、どちらの胸も異常なし。
その診察で、主治医の先生に「とにかく肩が痛くて仕方ないけれど、どうしたらいいか」聞いてみました。
先生の回答は「どんどん動かせばよくなるから大丈夫ですよ」というものでした。
この会話から、私は「特に整形外科など行く必要はない」「とにかく自分でストレッチなどしっかりやればいつかよくなる」と思ってしまいました。
私は、主治医の先生を批判したいのではありません。
初めて病院に行った時驚きましたが、がん専門病院の患者さんはとても多いです。
外来で通院している間、午後遅い時間になっても待合室には患者さんがたくさんいました。
また入院して手術を受けて驚いたのは、病院の先生が想像以上に激務だということです。
あれだけの数の外来診察と手術をこなしながら、平日は1日2回、土日も朝、回診に来てくれます。
そして、今の医療制度では、私のように自家組織乳房再建という大きな手術を受けても10日程度で退院です(日数は術後の経過や病院の治療方針によって異なります)。
その後は、
- 退院後1週間
- 術後1ヶ月
- 術後3ヶ月
- 術後6ヶ月
の診察があるのみです。
ここで気が付きました。
大きながん専門病院というものは、がんと診断されて手術を受け、退院までは手厚いけれど、激務過ぎて退院後の乳腺外科以外の分野については先生もあまりご存じないのではないか。
乳がん手術の後遺症で検索しても、リンパ節郭清した後遺症は出てきます。
しかし、私のようにリンパ節郭清していない乳がん手術の後遺症例があまり見つからないのは、医療機関側でもあまり把握していないのではないかと思いました。
多分、私は肩の痛みについて、相談する先を間違っていたのかもしれません。
術後の、直接手術した部位でないところに関する悩みは、患者サポートセンター(大きな病院にはこのような相談窓口が設置されています)の方が、適切なアドバイスをもらえたのかな?と、今となっては思います。
ストレッチで可動域が改善
私の場合、病院で教わったリハビリ程度では、動かし方が全く足りなかったようです。
手術後数ヶ月経ってから、そのことに気が付きました。
とにかく、この肩の痛みと可動域の狭さを改善するには、たくさん動かさないといけないらしい。
そう考えて、アマゾンでストレッチ関連の本やDVDを探してみました。
プライム会員は無料で見られるストレッチ本を見つけてダウンロード、以来2ヶ月ほど、このストレッチを続けています。
この本は、とてもよかったです。
掲載されている12種類のストレッチをやると、上半身がほぐれるようで、その日は調子よく過ごせます。
最初は1−7のクロスボウとかとてもできませんでした。
痛すぎない程度に徐々にやっていくうち、それなりにできるようになりました。
肩の可動域もすこしずつ改善するのを実感しています。
実は入院時の運動不足で、股関節の調子も悪くしてしまいました。
ガチガチに股関節が硬くなって、一番酷いときは、痛くて足が組めませんでした。
このままでは年をとった時にヤバいと思って、股関節も本のとおりにストレッチをやりました。
最初は3−2のキングコブラのポーズができませんでした。
3−2のハンモックも足が膝にかかりませんでした。
できるところから、そろそろとストレッチを繰り返すうち、かなり改善してホッとしています。
やっと整形外科を受診
ストレッチは2~3日に一度はやるようにしています。
可動域が改善して、痛みが和らぐのも実感しました。
しかしやっぱり肩が痛い。
一晩に何度も目が覚めるほどではないですが、夜間痛もあります。
「やっぱり、これはおかしい」←今頃w
そう思って、改めて検索しまくって、こんな記述を見つけました。
時に肩関節そのものの痛みが出現し、関節炎を起こしていることがあります。その場合には無理をせず整形外科で診察を受けましょう。
「きっと私の肩も関節炎を起こしているに違いない」そう考えて、やっと整形外科を受診しました。
診察室で
- 乳がんの手術を受けた
- 手術の後遺症で腕が上がらない
- そのうち腕が後ろに回らなくなった
- 夜間痛が辛い
等の症状を説明しました。
レントゲン撮影を経て、ついた診断は五十肩(肩関節周囲炎)。
先生は優しいので四十肩と言ってくれましたw
両肩にヒアルロン酸の注射を打ってもらい、ロキソニンの錠剤と湿布薬を処方してもらいました。
ヒアルロン酸の注射は1時間くらいで劇的に効いて、久しぶりに健康体に戻った気がしました。
肩の痛みがないと、ストレッチもより大きく動かすことができます。
おかげで、可動域が更に広くなりました。
ヒアルロン酸の注射は、1発でよくなるというものではないそうです。
治るまで、1週間おきに数回打ってもらいます。
私も、最初の診察から数日経つと、若干の痛みが出てきました。
ただ、いつまでも逃れられなかった肩甲骨周辺の鈍痛や夜間痛が激減して、とても楽になりました。
痛みというのは気力体力両方を消耗するので、メンタル面でも診察を受けてよかったです。
あと数回通って、完全に痛みから開放されることを願ってます。
完全復活(9/28追記)
整形外科には1週間おきに4回行きました。
ヒアルロン酸の注射を3回打ってもらって、時間の経過とともに肩の痛みがなくなるのを実感しました。
4回目の診察では、肩の可動域を確認しただけで注射はありませんでした。
「通院はしなくていいです」
「この調子で頑張って動かしてください」
「もし痛みが出たら、すぐに診せに来てください」
と言われて帰ってきました。
最後の通院から1週間経ちましたが、痛みが戻った等はなく順調です。
ストレッチを頑張ったお陰で、肩の可動域もほぼ復活しました。
左右ほぼ同じ高さまで手が上がるようになってホッとしています。
左腕を後ろに回す動きなど、まだ若干課題はありますが、リハビリの続きだと思って気長に取り組んでいきたいと思います。
今後の目標
ストレッチを頑張ったおかげで、手術した側の左手は、ほぼ右手と同じ高さまで上がるようになりました。
一番酷い頃は体の後ろ側で両手の指を組むことができませんでしたが、現在はしっかり両手を組み合わせることができるようになりました。
乳がんの手術を受ける前は、毎週アシュタンガヨガのレッスンに出ていました。
長期的な目標は、もう一度同じレッスンに参加できるようになることです。
今は太陽礼拝の一連の動きも、怖くてやることができません。
肩の痛みが取れたら、焦らず少しずつ、以前の自分の体を取り戻していきたいと思います。
まとめ
このブログにいただいたコメントを見ると、私以外にも乳がんの手術を受けて肩の痛みに悩まされる人はいるようです。
私も「乳がん術後の肩の痛み」的な検索で「五十肩のような症状を起こしているかもしれないから、さっさと整形外科を受診しろ」という結果が見つかれば、迷わず整形外科を探したと思います。
しかしヒットするのは「術後のリハビリについて」「リンパ節郭清してリンパ浮腫を発症した場合」など、私の求める情報とは違ったものでした。
ならば「私と同じ症状で困っている人に見つけてもらえたら」そう思ってこの記事を書きました。
術後の肩の痛みが酷い場合、整形外科を受診して適切な治療を受けることで楽になることがあります。
乳がんの手術の後、予想外の後遺症で困っている方には、ぜひ知っていただきたいと思います。
なお、この記事は私の個人的体験談です。
医療的なアドバイスではないことをご承知ください。
以上、本日は
乳がん手術後の肩の痛み~リンパ節郭清してなくても腕が上がらず痛いのは五十肩(肩関節周囲炎)かもしれません
という話題でした。
お読みいただき、ありがとうございます。
乳がんの手術した人はみんな肩が痛くなるのかな?
経過や体質によると思うよ 私はもともと肩関節硬いのも原因かもね
私が受けた乳がん手術の関連記事はこちらから。