こんにちは、さくさくです。
今回は、手術前に「もし、そうなったらどうしよう」と非常に恐れていたせん妄の話です。
他人事だと思ってたけど、そうじゃないみたい。 とっても心配でした。
私が心配だった、その理由は…
初めてお越しくださった方へ~こんな手術を受けました。
前記事はこちらから。
乳がん手術(乳房全摘と再建)体験記その2【手術当日:開始まで】
乳がん手術(乳房全摘と再建)体験記その3【手術当日:終了後】
せん妄とは
2019年1月に、乳がんの診断がつきました。
主治医の先生から「ステージ0の非浸潤性乳管癌です」と告知を受けて、同時に入院の申込みをするよう言われました。
その後病院の入院受付窓口で、入院のご案内と一緒にもらったリーフレットがこちら。
この時、せん妄という言葉を初めて知りました。
妄って、あまりイメージのよくない漢字ですよね💦
何となく妄想とか錯覚っぽい症状なのかな…と思いながらページを開くと。
せん妄は漢字では譫妄と書きます。
表記が難しいので、現在はせん妄と書くことがほとんどです。
せん妄とは、脳の機能の乱れによって生じる意識障害です。
感染や脱水(水分や電解質のバランスが崩れる)、貧血、薬の副作用など体に負担がかかったときに起こります。
いくつかの原因が複合して起こることもあるそうです。
意識障害と聞いて私達がイメージするのは
・ぼんやりする
・反応がない
・眠ったような状態
このような感じでしょうか。
しかし、せん妄は意識が低下しているのに興奮したり怒りっぽくなることもあるようです。
リーフレットによるとせん妄が起きると
・話のつじつまが合わなくなったり
・場所や時間がわからなくなったり
・夜眠れなくなったり
・昼間うとうとしたり
・怒りっぽくなったり
・興奮したり
このような症状が出るそうです。
また「ぼんやりする」「考えがまとまらない」などの症状が出ることもあるらしい。
ここまで読んで、私は思いました。
「一時的に寝ぼけたみたいな感じになるのかな」
(↑ものすごく無知です💦)
そして、せん妄になりやすい条件として
・高齢である
・お酒の量が多い
・認知症、あるいは普段から物忘れがある
・視力の低下や難聴がある
・以前せん妄になったことがある
・睡眠導入薬などを飲んでいる
このような人が、がんの治療をするとせん妄が起こりやすいらしい。
さらに私は思いました。
「お酒の量は多いけど、他の条件には当てはまらないから私は大丈夫だな」
(↑バカ💦💦💦)
「乳腺外科医準強制わいせつ疑惑」事件
今回、私の受けた手術は乳房全摘と同時再建で8時間ほどかかる大きな手術でした。
主治医の先生によると長時間の手術枠は限られるそうで、申し込みから入院まで1月半ほど待ちました。
病院から「入院日決定」の電話連絡が来るのを待っている間、2月20日に大きく報道されたのが「乳腺外科医準強制わいせつ疑惑」事件の裁判です。
ご記憶の方も多いと思いますが、この事件は
・2016年5月に30代の女性が乳腺外科の手術を受けた。
・男性外科医(43歳)が、術後その女性の胸を舐め回すなどわいせつ行為をした。
・男性医師は同年8月に逮捕、9月に準強制わいせつ罪で起訴されて100日以上も身柄を拘束された。
・2月20日東京地裁は男性医師を無罪とする判決を言い渡した。
・裁判所は、被害者とされる女性の証言を「麻酔や痛みの影響でせん妄に陥りやすい状態にあった。せん妄により性的幻覚を体験した可能性がある」とした
せん妄は高齢者に起こるもの(繰り返しますが無知でスミマセン)だとばかり思っていた私は、30代の女性にせん妄が起きたかもしれないことに驚きました。
しかもウェブでたくさんニュースを見ていると、術後せん妄の危険因子に乳房手術もあるらしい❗❗
そしてせん妄で性的幻覚!?
乳腺外科医準強制わいせつ事件について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
術後せん妄による性的幻覚
その後も、わいせつ疑惑事件関連でたくさんの記事を読みました。
そして更に衝撃的なせん妄に関するページを見つけました。
医療漫画「医者を見たら死神と思え」1巻にせん妄が起きた患者の様子が描かれているのですが…
麻酔から覚めたお父さんが
・看護師さんに暴言を吐く
・看護師さんにわいせつ行為をする
・人格が変わったように卑猥なことを言う
そして、せん妄が治まれば自分は何も覚えていない、しかし家族に感情的なわだかまりが残る様子が描かれています。
このページを見て、猛烈に不安になりました。
自分が乳房手術を受けた後、もし術後せん妄が出て、家族に人格疑われるような言動したらどうしよう!
さくさく、大丈夫?
超不安…💧
「医者を見たら死神と思え」せん妄状態の一場面が紹介されています。
私の術後は…
ものすごく不安にはなりましたが、せん妄を防止する特効薬はありません。
上で紹介したリーフレットに書かれていたのは
- 痛みがある時は我慢をしないで伝える
- 水分をこまめにとる
- 体を動かす
- 睡眠導入薬など眠気の出る薬には気をつける
の4点のみ。
仕方ないので入院まで「せん妄が出ませんように」と必死に祈りました(笑)。
幸い、私の術後は麻酔の覚めもよく、手術室で「終わりましたよ」と言われた瞬間から、時間や場所もはっきりわかりました。
病棟に戻って家族と対面した時も
「自分の手術中、何時間もどこにいたのか」
「どうやって時間をつぶしていたか」
等、普通に会話できました。
無事に手術が終わって家族もホッとしたと思いますが、せん妄による人格疑われるような醜態を見せずにすんで私が一番ホッとしました。
乳がんで入院して手術を受けるのに
・麻酔失敗しないでちゃんと覚めるかとか
・お腹の脂肪を移植して再建する胸がちゃんと定着するかとか
・自分の留守中家族が不自由なく過ごせるかとか
いろいろ心配はありましたが、無事に麻酔から覚めてせん妄も起きずに済んで、心配事2つクリア。
取り敢えず、気持ちがグンと軽くなりました。
こんな手術を受けました。
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