こんにちは、さくさくです。
乳がんで乳房全摘と乳房再建手術を受けて7ヶ月経ち、乳頭・乳輪の再建手術を受けました。
自分の気持の中では「乳房再建して胸の膨らみはあるから、乳頭はなくてもいいかな」と思ってました。
しかし手術を終えて、やはり乳頭も再建してよかったと思いました。
乳房再建から乳頭・乳輪を再建するまでの経過と手術の詳細をお伝えします。
現在の私の胸
乳がんの手術後、乳房再建を受けた後の私の胸はこの状態です。
乳がんの手術で、乳房を全摘しました。
詳しく書くと、乳腺と乳頭・乳輪を摘出しました。
胸の皮膚は残すことができたので、皮膚の中にお腹から取った脂肪を入れています。
丸い傷跡は、乳頭・乳輪の部分で、そこだけお腹の皮膚を使っています。
乳房再建で胸の膨らみはありますが、ツルッとしています(笑)。
この状態で、乳がんと乳房再建の術後6ヶ月目の診察を受けました。
「再建した胸が安定してきたので、乳頭も再建しましょう」という提案をいただき、手術室の空きを待って7ヶ月目に乳頭再建しました。
乳頭・乳輪再建手術
手術と聞くと「また入院か?」と身構えてしまいますが、乳頭と乳輪の再建は日帰り手術です。
1時間程度で終わって局所麻酔でいいそうです。
ただ局所麻酔の手術は、全身麻酔の手術の合間に入れるので、前の手術の進行によってはかなり待ち時間が生じますと言われました。
これは仕方ないですね。
当日は、時間を潰せるものを持って病院に向かいます。
乳頭の再建~スケート皮弁
乳輪の再建はこのように行いました。
形成外科の先生が描いてくれた図を元に、頑張って描きました(余談ですがibisPaintというお絵かきアプリはすごいです)。
右の丸い図、肌色の部分は、乳頭を作るのに使う皮膚です。
胸から、この皮膚の部分を脂肪と一緒に立ち上げて、縫い合わせて乳頭を作ります。
作った乳頭の外側は皮膚を使っているので、当然肌色です。
また乳頭という立体を作るのに周りの皮膚を使うので、乳輪の部分は植皮が必要になります。
通常、スケート皮弁というのは、このようなデザインです。
スケート靴の形をしているから、スケート皮弁なのだそうです。
術前の説明で「これってスケート皮弁ですか?」とお尋ねしたところ「スケート皮弁だと尖った乳頭になるので、これはモデファイスケート皮弁とでも言えるものですね」と教えていただきました。
乳輪の再建~全層植皮
乳頭を作ったら、次は乳輪です。
乳輪は、足の付根の皮膚を植皮します。
上の図では陰部と書いていますが、正確には陰部の外側の皮膚です。
所謂、パンツのゴムの当たるところです。
乳輪部分は色があるのに乳頭は肌色でマヌケな感じです(笑)。
手術から1ヶ月ほどして落ち着いたら、乳頭にタトゥーで着色するそうです。
手術室でのできごと
手術当日、受付を済ませて待っていると、手術室のフロアに案内されました。
手術着に着替えて手術台へ
患者更衣室で手術着に着替えます。
その後、手術室に行って、手術台に上がります。
横たわると、看護師さんが肌掛け布団のようなものをかけてくれました。
そして一言。
「着てるもの全部脱いでください」
胸の手術なので、当然ですね。
事前に、足の付根から皮膚を取ることも説明されていたので、ショーツも脱ぎます。
手術台は幅が狭めなので、落ちないように気をつけながら、モゾモゾと手術着とショーツを脱ぎました。
再び、看護師さんがしっかりと肌掛けで覆ってくれます。
そこに先生登場。
「じゃ、取りますね~」と肌掛けを外されて、先生+看護師さん2名の前に全裸で横たわる私。
しかも足の付根の皮膚を取るのに体勢を調整した結果が、このポーズ。
全裸で命ポーズ
一応、大事なところは隠してみた(笑)。
両手を広げているのは、右手には血圧計が、左手にはパルスオキシメーター(酸素を測る機械)がついているからです。
人様の前で、全裸で横たわって命ポーズ(汗)
メチャクチャ恥ずかしかったです。
こんな感じで、素っ裸の自分を先生と看護師さん2人が見つめているわけです💧
ものすごく恥ずかしかったのですが、ふと上から見た自分の姿を想像したら「命ポーズやん」と可笑しくなりました。
手術中吹き出しそうになって、何度も堪えました。
全身麻酔の手術では、麻酔から覚めると尿道カテーテルが付けられています。
自分が知らないだけで、手術ってあられもない格好させられているんでしょうね。
手術室の中のことがちょっとわかった
局所麻酔の手術は、意識ははっきりしています。
開始前に看護師さんに聞いたところ「痛みはないけれど、触られたり引っ張られる感覚はあります」とのことでした。
今回の手術中、顔の前には布が掛けられて、手術の様子が見えないようになっていました。
また、足の皮膚を取らない真ん中あたり(所謂、陰部)は、看護師さんがガーゼを当ててくれて配慮を感じました。
多分電気メスだと思うのですが、胸の皮膚を切っている時にはたんぱく質の焼けるニオイがしました。
こんな経験、滅多にすることないので、いろいろ興味深かったです。
あと手術着に着替えてキャップを被って、衛生的に厳格な感じなのに、手術台の横まで行くのは自分の履いてきたサンダルなのが不思議でした。
「外のホコリを持ち込んでいいんだろうか」と思いましたが、大丈夫なんでしょうね。
私は医療関係の仕事に就いたことがないので、病院の奥で行われていることは、見るものすべてが新鮮でした。
形成外科の先生は神様
乳房再建と、今回の乳頭・乳輪再建手術をやってくれたのは、若い男性の先生です。
「早婚なら、こんな息子がいてもおかしくない」そんな年代の先生にあられもない姿を見られて😱と思っていたのですが。
「そうだ、この先生には、乳腺摘出した後のペタンコの胸も見られてるんだ」
「お腹の脂肪を取るのに、私の黒い腹の中まで見てるんだ」
そして気が付きました。
「そもそも私の左胸を作ったのって、この先生だった」
最初の、乳房全摘と乳房再建手術から7ヶ月が過ぎて、再建した胸もすっかり自分の体の一部として慣れました。
乳がんの手術をする前に比べて多少の違和感はありますが、それも含めて大切な自分の胸だと思っています。
乳がんで全摘した後の乳房は、再建する・しない、様々な選択肢があります。
私は、自分の胸の膨らみがなくなるのが寂しくて、再建することを選びました。
現在は、ほぼ左右差のないきれいな形の乳房を再建してもらって、とても満足しています。
そして、新たに付いた乳頭を見て「なくてもいいと思ったけど、やっぱり作ってもらってよかった」と思いました。
私は、自分の体は神様からもらったものだと思っています。
神様からもらった大切な体の一部分を失ったけれども、代わりに新しく作ってもらえた。
そう考えると、乳房再建してくれた先生は神様みたいなものだと思えました。
ネットで乳房再建の体験談を検索すると、再建してよかったという喜びの声をたくさん見ることができます。
多くの人に喜びと、がんを患ったけれども前向きに生きる力を与えてくれる形成外科の先生は、本当に素晴らしい、ありがたい存在だと思いました。
まとめ
乳房再建と乳頭・乳輪の再建が終わって、胸の手術は一段落しました。
あとは1ヶ月ほどしたら、再建した乳頭にタトゥーで色を入れて再建は全て完了です。
これも日帰りで簡単に済むそうです。
乳頭・乳輪の再建にも様々な方式があり、今回私が受けた方法は
- 脂肪だけで支持組織がないため、将来的に乳頭が平らになる
- 時間の経過とともにタトゥーで入れた色素が薄くなる
などの欠点があります。
それでも、自分の胸を鏡で見て「乳頭と乳輪も再建してよかった」と思いました。
ちなみに今回受けた手術は、日帰りで乳頭・乳輪を再建して25,000円程度でした(健康保険3割負担額)。
乳頭・乳輪の再建を検討している方のご参考になれば幸いです。
以上、本日は
手術台で全裸になって命ポーズで乳頭再建した話(汗)
という話題でした。
お読みいただき、ありがとうございます。
胸の再建、完成してよかったね
手術中は恥ずかしかったけど、出来上がった胸を見たら感動モノだよ
大反響だった前記事です。まだお読みでない方はぜひどうぞ。