こんにちは、さくさくです。
お中元やお歳暮をいただいた時の、お礼状についてご説明します。
盆暮れのご挨拶は虚礼廃止やお付き合いの簡素化で、若い世代の方には馴染みが薄いかもしれません。
その一方で、年齢が上がって贈答品をいただく立場になる方もいらっしゃると思います。
ご主人の知人や取引先など、自分とは面識のない相手からいただく贈答品のお礼状はどうしていますか?
実はお礼状を書くのはとても簡単です。
テンプレートに従えば完成するのが、日本の手紙文化の素晴らしいところです。
今回は、贈り物をいただいた時のお礼状はがきの書き方をご説明します。
お礼状の利点
贈答品をいただいたら、送り主を確認しますよね。
ご自分や配偶者の実家が送り主の場合は、電話でお礼を伝えることが多いと思います。
現代のように、自分たちも親世代も忙しい場合はラインを使うこともあるかもしれません。
では、あまりお付き合いのない親類や知人、取引先の場合はどうでしょう。
そういう時に便利なのがお礼状です。
- 親しくない相手に緊張しながら電話をかけずに済む
- メールのように一から文面を考える必要がない
- 短くて簡素だけれども丁寧な印象を持ってもらえる
お礼状はがきは定型化された文書なので、形式に従えば電話やメールよりも手間なく効果的に感謝の気持ちを伝えられるのです。
お礼状は簡単に書ける
「お礼状を書くのは難しい」と思っている人もいるかもしれません。
大丈夫、この記事でお礼状のテンプレートを紹介するので、それに従えばOKです。
いちばん大切なことは「丁寧に書くこと」です。
お礼状の目的は名文を書くことではありません。
一番の目的は「送ってもらった荷物が無事に届いた事を報告し、感謝の気持ちを伝える」ことです。
気負う必要はありません。
完成形はこんな感じです。
お礼状の書き方
それでは、お礼状の書き方について説明します。
お礼状を分解すると…
一見難しそうなお礼状ですが、実はお礼状を分解するとこうなります。
色線を引いたところは全て決まり文句です。
つまり自分で考えるのは主文だけなのです。
お礼状のテンプレート~前文
前文は、頭語・時候のあいさつ・相手の安否を気遣う言葉・平素の厚誼のお礼を並べます。
頭語
ここはシンプルに拝啓です。
他にもいろいろありますが、もっと凝ったお礼状を書きたくなったら、ネットや本で調べてください。
時候のあいさつ
時候のあいさつは季節に応じて変わります。
こればかりはオールマイティなものがないので、12ヶ月分全部紹介します。
この中から好みで選んでください。
※時候の挨拶は、ハガキを受け取る先に合わせます。
例えば、先方が梅雨明けしていたら「梅雨寒の候」というのは、おかしいということになります。
1月
- 新春の候
- 初春の候
- 寒冷の候
- 厳寒の候
- 極寒の候
- 酷寒の候
2月
- 立春の候
- 余寒の候
- 向春の候
- 浅春の候
- 残寒の候
- 梅花の候
3月
- 早春の候
- 春陽の候
- 弥生の候
- 春風の候
- 浅暖の候
- 春分の候
4月
- 陽春の候
- 桜花の候
- 仲春の候
- 春暖の候
- 惜春の候
- 晩春の候
5月
- 初夏の候
- 新緑の候
- 若葉の候
- 青葉の候
- 薫風の候
- 立夏の候
6月
- 薄暑の候
- 梅雨の候
- 入梅の候
- 麦秋の候
- 夏至の候
- 短夜の候
7月
- 梅雨寒の候(梅雨明けしていない場合)
- 盛夏の候
- 猛暑の候
- 酷暑の候
- 炎暑の候
- 大暑の候
8月(立秋後)
- 晩夏の候
- 立秋の候
- 残暑の候
- 暮夏の候
- 早涼の候
9月
- 初秋の候
- 新秋の候
- 新涼の候
- 秋涼の候
- 清涼の候
- 早秋の候
10月
- 錦秋の候
- 紅葉の候
- 秋冷の候
- 秋晴の候
- 仲秋の候
- 中秋の候
11月
- 晩秋の候
- 向寒の候
- 霜寒の候
- 立冬の候
- 暮秋の候
- 深秋の候
12月
- 師走の候
- 寒冷の候
- 歳末の候
- 冬至の候
- 初冬の候
- 晩歳の候
相手の健康を喜ぶ言葉
・皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この一言でオールマイティです。
平素の厚誼へのお礼
・平素は主人がお世話になりまして、誠にありがとうございます。(ご主人への贈答品のお礼)
・平素は格段のご高配を賜りまして、誠にありがとうございます。(自分にいただいた品のお礼・男女問わず使えます)
お礼状のテンプレート~主文
お礼状の本文です。
書き起こしに「さて」の一言を入れて、お中元など贈答品のお礼を述べます。
限られたスペースなので、頂いたものはどんなものでも「結構なお品」の表現でOKです。
お礼状のテンプレート~末文
お礼状の締めくくりです。
相手の健康を願う言葉・締めの言葉・結語を並べます。
相手の健康を願う言葉
・時節柄、皆様どうぞご自愛下さいませ。
オールマイティで一年中使えます。
季節に合わせて、時節柄を暑さ厳しき折・寒さ厳しき折と変えてもいいです。
締めの言葉
・略儀ながら書中にて御礼申し上げます。
結語
・かしこ(女性)
・敬具(男女問わず)
ハガキは書くスペースが小さいので、自分で考える部分はほとんどありません。
どうですか?書けそうな気がしませんか?
お礼状は下書きする
テンプレート通りに書けば完成するお礼状ですが、いきなりハガキに書くのではなく一度は下書きすることをおすすめします。
というのも日常的に文字を手書きする機会が激減した今、一発で文字の配置よく書くのは至難の業。
下書きでレイアウトを確認して、清書するイメージです。
下書きすれば誤字脱字を防ぐことが出来るので、ハガキを無駄にすることがありません。
私はいつも、ハガキの上にコピー用紙を被せて下書きしています。
下書きすると、このようになります。
本日現在の関東地方は梅雨も明けておらず、7月でも長袖でいいような日があります。
なので時候の挨拶は「梅雨寒の候」にしました。
面倒に思えますが、書き損じてはがきを無駄にしないのと、レイアウトが一発で決まって綺麗に書けるので、自信のない方は下書きをおすすめします。
お礼状を清書する
下書きができたら、字の配置を整えながらハガキに清書します。
万年筆があると便利
私は鳩居堂のハガキに万年筆で書いてます。
お礼状にボールペンはカジュアルすぎます。
今は1,000円くらいで購入できる万年筆があるので、一本持っておくと改まったものを書く時に便利です。
万年筆のいいところは、適度に紙に引っかかるので書きやすいことです。
同じ内容でも万年筆で書くだけで字が上手になったように見えます。
万年筆効果は絶大だと感じています。
贈り物のお礼状完成形
こんな形でテンプレ通りに完成させたお礼状がこちらです。
夏用と冬用で少しバリエーションをつけたものも2例ご紹介します。
お礼状を書き上げたら写真をスマホに残しておくと、次回書く時便利です。
今日書いたお礼状
お中元のお礼状
お歳暮のお礼状
お礼状の宛名をきれいに書きたい
文字を手書きすることが少なくなって、宛名を書くのが難しいと感じるようになりました。
私は、こういう宛名定規を使っています。
断然書きやすくなります。
宛名も、会社名や役職名が入る配置の難しいものは、書き上げたら今後のため写真に保存しています。
ご主人の代わりにお礼状を書く時は
ご主人宛の贈答品に、奥さんがお礼状を書いた場合です。
差出人のところはご主人の名前。
そして左下に小さく「内」と書きます。
まとめ
この記事を書きながら思いました。
専業主婦家庭より共働き家庭の方が多くなった令和の時代、パパが育休を取ってママが会社に行く時代です。
妻が代筆するお礼状もなくなるのかな…と。
お中元やお歳暮のやり取りも今後どんどん少なくなるのかもしれません。
それでも今、お礼状を書く必要に迫られて困っている人もいるかもしれない。
そんな人に、この記事を見てもらえたらいいなと思います。
お礼状って、書き慣れると便利なものです。
もう一度書きますが、文学作品のような名文ではなくて、感謝の気持ちが相手に届けばいいのです。
お礼状、気軽に書いてみませんか?
以上、本日は
お礼状はこう書けばOK!【贈り物のお礼編】時候の挨拶を選ぶだけで使えるお礼状はがきの書き方テンプレート
という話題でした。
お読みいただき、ありがとうございます。
一番大事なのは丁寧に書くことだよね
最近手書きしないから、それが一番難しいの