さくさくの日常

健康オタクが乳がんで乳房全摘しました 現在は治療終了 それでも元気でいたいから健康ネタと楽しいこといろいろ

乳がん治療の医療費は?乳がん発見から手術(乳房全摘と同時再建)退院まで全報告

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こんにちは、さくさくです。

2019年、私は乳がんと診断されて乳房全摘手術を受けました。

がんという病気や健康について、非常に考えさせられた一年でした。

十数年前に乳がん検診で石灰化を指摘されてから、実際に乳がんと診断されて手術を受けるまで、乳房再建や乳房全摘手術の後遺症など、一連の体験と費用についてまとめました。

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乳がん検診と石灰化

30代前半の頃、乳腺クリニックで初めて乳がん検診を受けました。

その時にマンモグラフィという乳房のX線撮影で、左胸の石灰化を指摘されました。

 

石灰化とは

石灰化とは乳腺の中にカルシウムが沈着した状態で、マンモグラフィで乳房を撮影すると、小さな白い粒として写ります。

石灰化自体はがんではなく、良性と悪性に分けられます。

 

良性の石灰化

正常な乳腺でも、年齢とともに分泌物が結晶化して、カルシウムが沈着すると石灰化が起こります。

また、嚢胞(のうほう)や線維腺腫(せんいせんしゅ)など乳腺の良性疾患でも石灰化が見られます。

マンモグラフィに写る石灰化の多くは、これら良性の石灰化だそうです。

 

悪性の石灰化

マンモグラフィに写る石灰化の多くが良性である一方、割合としては少ないものの悪性の石灰化もあります。

悪性の石灰化は、がん細胞が増殖する過程で、壊死したがん細胞にカルシウムが沈着したものです。

悪性の石灰化の場合も、乳がんそのものがマンモグラフィに写る訳ではありません。

マンモグラフィで悪性の石灰化が見つかった場合、更に詳しく検査することで、しこりとして触れる前の早期乳がんを発見できる可能性があります。

 

マンモグラフィのカテゴリー分類

良性の石灰化、悪性の石灰化という区分とは別に、マンモグラフィガイドラインのカテゴリー分類というものがあります。

カテゴリー1:異常なし

カテゴリー2:良性病変のみ

カテゴリー3:がんを否定できず(がんの確率は5~10%)

カテゴリー4:がん疑い(がんの確率は30~50%)

カテゴリー5:マンモグラフィ上はがん(がんの確率はほぼ100%)

日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドラインより

乳がん検診で撮影したマンモグラフィはカテゴリー1~5に分けられます。

カテゴリー1・2の場合は、月1回の自己検診と定期的な乳がん検診を続ければOKです。

カテゴリー3なら経過観察(6ヶ月ごとの再検査)か要精密検査。

カテゴリー4・5の場合は、要精密検査になります。

 

石灰化の経過観察と精密検査

実は、乳がんの手術が終わっていろいろ勉強するまで、このカテゴリー分類は知りませんでした。

そのため、初めての乳がん検診で「石灰化がある」と言われても、何が悪いのかよくわかりません。

悪性の石灰化について意味を説明してもらっても、近親者に乳がん患者もいないので他人事でした。

そして「本当は大学病院で針生検をやった方がいいけど、若いからいいでしょう」ということで「乳がん検診はきちんと受けてくださいね」という結論に落ち着きました。

今から考えると、カテゴリー3と判断されたのだと思います。

当時は「大学病院に行くなんて面倒」だったので、検査から逃れられてラッキーだと思いました。

しばらくして、夫の転勤で遠方に転居しました。

その後も、乳がん検診を受けるたびに石灰化を指摘されます(当然!)。

40歳を過ぎて通院したクリニックでは「あなたの乳房は、注意を要する所見だから」と言われて、半年ごとに超音波検査(エコー検査)、毎年マンモグラフィを撮るようになりました。

 

マンモグラフィ+超音波検査
 ↓ 6ヶ月
超音波検査
 ↓ 6ヶ月
マンモグラフィ+超音波検査

 

このサイクルで、転勤でクリニックを変えながら7年ほど通院しました。

7年間の後半には、穿刺(せんし)吸引細胞診も2回やりました。

 

乳がんの精密検査

乳がん検診で経過観察を指示されると、6ヶ月ごとに受診して超音波検査やマンモグラフィを受けます。

マンモグラフィや超音波検査の画像診断乳がんの疑いがある場合、精密検査として細胞診組織診(生検)を行います。

 

穿刺(せんし)吸引細胞診とは

乳房の細胞診には

  • 穿刺吸引細胞診
  • 乳頭からの分泌物液細胞診

などがあります。

穿刺吸引細胞診は、超音波検査などで病変をとらえながら直接針を刺して,注射器で細胞を吸い出します。

針が細いので、通常麻酔はありません。

10分程度の短時間で、患者のからだへの負担が少ないとされますが、メチャクチャ痛かったです。

細胞診は採取できる細胞の量がとても少ないため

  • がんでないのにがんと診断される
  • がんなのにがんでないと診断される

極まれに、このようなことがあるそうです。

 

穿刺吸引細胞診を受けた頃に通っていた乳腺科の先生は、質問しにくくて苦手なタイプでした。

検査の結果など全く説明してくれず「いいでしょう。また半年後に来てください。」と言われて終わりです。

私の乳房は、自分で触ってもしこりが全くわからないので、何のためにやるのかよくわかりませんでした。

そこで2回目の細胞診の後に、思い切って質問しました。

すると「嚢胞(のうほう)です」という回答でした。

 

乳腺嚢胞(のうほう)と診断される

乳管の一部が袋状になって、中に水がたまった良性の腫瘤です。

閉経するとほとんど見られなくなるもので、基本的に治療の必要はなく、一般にがん化する恐れもありません。

 

嚢胞と言われて安心して、手元のスマホで石灰化や乳がんの診断について調べることはしませんでした。

「こんな苦手な先生のところで乳がんになって手術するなんて絶対に嫌だ」

そんな気持ちもありました。

 

乳がん発見

家人の転勤で現在の住居に引越した後、経過観察のために新しく見つけた乳腺クリニックに行きました。

 

乳がんの可能性を指摘される

初診でいきなり「紹介状書きますから、ステレオガイド下マンモトーム生検を受けてください」と言われました。

今まで散々マンモグラフィや超音波検査やって、もの凄く痛い穿刺吸引細胞診も2回やって、それで大丈夫だったのにどういう事なんだろう。

そう思っていると「50~60%の確率で乳がんですよ」とはっきり言われました。

私のイメージする乳がんは、小林麻央さんがそうだったように治療が遅れるとあっという間に手遅れで死に至る病。

さくらももこさんが乳がんで亡くなって大きく報道されたのも記憶に新しい時期でした。

「石灰化を指摘されて15年以上経つのに今まで治療もしてなくて、乳がんだったら2~3年で死んでるんじゃないですか?」

そうお尋ねしたところ

「ショッキングな報道ばかり見過ぎです」
「おとなしい乳がんもあるんですよ」

とのこと。

その頃の私は無知だったので、乳がんとはすぐにあちこち転移して死んじゃう病気としか思ってなかったのです。

マンモグラフィのカテゴリー分類について知った後に先生の言葉を思い出すと、カテゴリー4と判断されたのではないかと思います。

 

がん専門病院へ

初診のクリニックでやれと言われたステレオガイド下マンモトーム生検というのは、大きな病院ならどこでもOKではないらしい。

紹介先は先生にお任せで、東京都内のがん専門病院宛に紹介状を書いてもらいました。

数日後、予約した時間に病院へ行って驚きました。

エントランスホールも受付も、明るく広々としていて綺麗です。

自分のイメージしていた病院の暗さや消毒薬のにおいはありません。

そして椅子やソファが多数設置されていますが、座る場所がないほどたくさんの患者さんがいます。

私はがん患者というのは、元気なくいかにも病人のようなイメージを持っていました。

しかし目の前で診察を待っている人たちは、皆さん元気で普通で、街ですれ違う大勢の人たちと全く変わりません。

がんという病気や、がん患者さんに持っていたイメージが大きく変わりました。

 

乳腺外科初診

紹介先のがん専門病院では、乳腺外科を受診しました。

若い先生が、とてもにこやかに診察してくれました。

紹介状と一緒に持参したマンモグラフィを見た結果は

  • 紹介状を書いてもらった左乳房は普通の針生検でよい。
  • しかし右胸にも石灰化があって、これはステレオガイド下マンモトーム生検で調べる必要がある。

というものでした。

右乳房の石灰化は、今まで一度も指摘されたことがありませんでした。

「もしかして私、両方乳がんなんですか…」とちょっとショックでした。

検査の予約を入れてもらって、普通の針生検(コア針生検)とステレオガイド下マンモトーム生検、両方を日を改めて受けました。

 

組織診(生検)とは

組織診とは、採取した病変の組織を顕微鏡で観察して、がんであることを確実に診断する検査です。

生検とも呼ばれて、がんの性質を調べることもできます。

生検には

  • 針を用いて組織を採取する針生検
  • 小さな手術で皮膚を切開して組織を採取する外科的生検

があります。

 

穿刺吸引細胞診で体から取り出すのは病変部の細胞ですが、生検で取り出すのは病変部の組織です。

素人的には、細胞も組織も見える結果に大差ないように思えます。

しかし、顕微鏡写真を見ると細胞診と組織診では全く違うことがよくわかります。

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線維腺腫の顕微鏡写真
a:外科的生検 b:針生検 c:穿刺吸引細胞診

外科的生検では病変全体の組織像を観察できます(a)。

針生検でも組織像は観察できますが,病変の一部しか観察できません(b)。一部から病変全体を推測して診断する必要があります。

穿刺吸引細胞診では生検でみられる組織像とはまったく違う細胞像を観察して診断します(c)。穿刺吸引細胞診は,細胞像から病変全体の組織像を思い浮かべて診断します。

日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドラインより

 

コア針生検と費用

針生検は,組織を採取する機械の種類によって、2つに分けられます。

  • コア針生検
  • 吸引式針生検

私が左乳房で受けたのは、ばねの力を利用して組織を採取するコア針生検です。

コア針生検は細胞診よりも針が太いので、局所麻酔で行います。

私の場合、超音波で確認しながら針を刺しました。

局所麻酔だったので、検査自体の痛みはありませんでした。

検査の後は、止血のためにテープでガッチリ固定されて、更に上からバストバンドを巻かれて帰宅しました。

胸の周りがモコッとして不自然なので、真冬のダウンジャケットを着る時期でよかったです。

生検当日は、激しい運動は控えるようにと言われて、入浴と飲酒は禁止でした。

コア針生検の費用は、健康保険3割負担の実費で24,000円ほどでした。

 

マンモトーム生検と費用

マンモトームという機械を使う吸引式針生検です。

局所麻酔で行います。

コア針生検よりも太い針で、内腔に組織を吸引しながら採取するので、より多くの組織を採取することができます。

採取する組織が多いことは良悪性の判断が容易で、乳がんの性質を検討する際にも役立つようです。

石灰化が乳がんであるか確認する場合は、2方向からレントゲン撮影(ステレオ撮影)をして病変の位置を確認する、ステレオガイド下で行います。

私の場合、座った姿勢でマンモグラフィを撮って、そのままの体勢でマンモトーム生検を受けました。

針を刺す痛み自体はありませんでした。

しかし乳房を板で挟まれた状態で生検を受けるので、圧迫痛がありました。

また生検の間、動いてはいけないので、同じ姿勢を取り続けるのも辛かったです。

コア針生検と同じように、検査終了後はバストバンドを巻いて帰宅しました。

止血のために運動や入浴、飲酒が禁止なのも同じです。

ステレオガイド下マンモトーム生検の費用は、健康保険3割負担の実費で3万円ほどでした。

 

ステージ0の非浸潤性乳管がん

ここからが2019年の体験です。

生検の結果、新たに石灰化を指摘された右の乳房は要経過観察で済みました。

しかし、長年石灰化で経過観察を続けてきた左は乳がんでした。

2019年の年明け早々、ステージ0の非浸潤性乳管がんで、手術が必要と言われました💧

 

浸潤がんと非浸潤がん

それまで転移しないのは良性の腫瘍で、がんというのは必ず転移するものだと思っていました。

しかし乳がんには2種類あるらしい。

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乳がんは大きく、乳管・小葉の内側だけにとどまっている非浸潤がん、基底膜を破って乳管の外に染み出した浸潤がんに分けられます。

幸い、私の検査結果は非浸潤がんでした。

非浸潤がんは転移しません。

当然、病期(ステージ)0です。

しかし転移しない乳がんなら、手術って必要なんでしょうか?

 

非浸潤がんと過剰診断

がんって、転移するから手術したり抗がん剤で治療するはず。

転移しないがんなら、今まで通りの経過観察でもいいように思えます。

実は、乳がん検診でマンモグラフィが使われるようになってから、私のような非浸潤性乳管がんを発見される人が増えているそうです。

過剰診断というのは、誤診ではありません。

検診で見つかる乳がんのうち、すぐに治療しなくてもよいものを乳がんと診断することです。

例えば、私の胸に見つかった非浸潤性乳管がんが10年経っても転移しないものだった場合、手術で乳房全摘するのは過剰診断で医療費の無駄遣いということになります。

しかし非浸潤がんでも、転移して浸潤がんになるものもあるそうです。

どのタイプのものが転移せず、どのタイプが転移するから手術が必要なのか、その診断はまだ確立されていません。

私自身も、乳がんで手術が必要と診断されて、それを放置することは、自分へのネグレクトのように感じました。

数十年後の世界から見れば、しなくてよかった手術なのかもしれません。

しかし不安を抱えたまま過ごすより、自分の体と向き合って、前向きに治療することを選びました。

 

乳がん手術前の検査と通院

乳がんと診断されて手術が必要とのことなので、準備に入ります。

がんと言われたその日に、手術のための胸部レントゲン撮影や心電図検査、呼吸器検査などを受けました。

また受付で入院申込するよう指示を受けました。

 

MRI検査と費用

がんと診断された後に、病巣の広がり具合を確認するためのMRI検査を受けました。

MRI検査は大きな磁石のような穴に入って行う検査なので、金属類を身に着けていると危険です。

ヘアピンやアクセサリー、コンタクトレンズ、ペースメーカー、タトゥー(色素に金属成分がある)など細かに確認されました。

造影剤を使用するので、アレルギーも聞かれます。

MRI検査の費用は健康保険3割負担の実費で1万円ほどでした。

MRIで、病巣が奥(背中側)に大きいことがわかりました。

 

部分切除か全摘か

MRIで、病巣が奥(背中側)に大きいことがわかりました。

乳がんを告知された時には、非浸潤がんでステージ0なので部分切除でいけるとのことでした。

しかしMRIの結果を踏まえると、切り取る部分が大きいので、残った乳房がかなり変形してしまうそうです。

主治医の先生から「部分切除はあまり勧めない」と言われました。

部分切除だと、乳房に再発のリスクも残ります。

考えた末に、乳房全摘することにしました。

 

乳房再建の選択肢

乳房全摘した後、乳房再建しない選択は私にはありませんでした。

乳腺外科の主治医の先生に再建の希望を伝えると、同じ病院の形成外科を受診するよう言われました。

予約を入れてもらって、初めて形成外科を受診する前に、乳房再建について調べまくりました。

自分の通っている病院の形成外科のページで、受けられる再建術の種類を確認して熟読しました。

乳房再建術は、病院によってできる方法が違います。

シリコンインプラントによる乳房再建は多くの病院で行われていますが、自家組織再建は実施している病院が限られます。

乳房再建する場合、先ずは自分の通院先の乳房再建方式を確認して、違う方式を希望する場合は他院の方法を確認するのがいいと思います。

 

自家組織による乳房再建

自分の皮膚や皮下脂肪、筋肉に血管をつけたものを移植して、乳房を再建します。

主に下腹部や背中が多いですが、臀部、太ももの内側の組織を使うこともあるようです。

長期的に安定した乳房を再建できることがメリットで、私はこの点を最重視してお腹の脂肪で自家組織再建しました。

一方デメリットとして、手術時間が長時間になることと、組織を採取した部分に大きな傷跡が残ります。

また場合によっては血栓ができて移植した胸が壊死するリスクもあります。

 

シリコンインプラントによる乳房再建

乳がんで乳房全摘を選択する女性が増えた背景には、シリコンインプラントによる乳房再建の保険適用があります。

シリコンインプラントを使った乳房再建では、胸部以外に大きな傷ができず体の負担が軽いのがメリットです。

しかし再建の完了までには通常、複数回の手術が必要です。

またシリコンインプラントは人工物なので感染や破損のリスクがあること、10~15年程度で抜去や入れ替えが必要なことがデメリットです。

 

CT検査と費用

自家組織再建するには、お腹の脂肪だけでなく血管も一緒に移植する必要があります。

その血管の様子を確認するためにCT検査を受けました。

CT検査は磁場を使わないので、MRI検査より気楽な感じでした。

これも検査の際に造影剤を使ったので、アレルギー確認されました。

CT検査の費用は、健康保険3割負担の実費で6,500円ほどでした。

 

麻酔科診察

手術の前に、麻酔科医の診察がありました。

これは手術の前の最終確認のような感じで

  • どのように麻酔をかけるか
  • 麻酔によって起こる症状
  • 手術の前に注意すべきこと

などの面談でした。

これで手術のための通院は全て完了しました。

あとは入院日が決まるのを待つのみです。

 

いよいよ入院・手術

乳がんと診断されて入院申込した時に「入院日の数日前に電話で連絡します」と言われました。

入院日の見当もつかないのは不安ですが、膨大な数の患者さんを最も効率よく手術するために、入院日が前後するのは仕方のないことだと思います。

入院申込から1月半ほどして、入院日の5日前に電話連絡がありました。

それから大慌てで冷蔵庫の中を整理して、入院準備しました。

入院するのに持っていったものは、こちらでご紹介しています。

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万が一麻酔から覚めなかった時のために、エンディングノートも書きました。

 

入院当日

いざ入院して、手術前夜の記事はこちらです。

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乳房全摘手術当日

一晩経って翌朝、手術開始まで。

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乳房全摘と乳房再建手術の詳細はこちらでご説明しています。

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手術終了直後は、痛くはないけど苦しかった思い出。

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麻酔が覚める前に変なこと言わないかも心配でした。

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術後 退院まで

手術翌日、上半身を起こして自分の胸を見たらビックリ。

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お腹の傷が突っ張って立ち上がるどころではないですが、早速歩行訓練が始まります。

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看護師さんに髪も洗ってもらいました。

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お腹の脂肪を切り取って乳房再建したので、謎検査がありました。

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腕が上がらないのでリハビリもやります。

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こんな感じで少しずつ体力回復して、無事に退院することができました。

 

退院後の日常生活

乳房再建のためにお腹を切る大きな手術で、当初は2週間程度の入院期間と聞いていました。

しかし経過が順調だったおかげもあって、術後11日目に退院することができました。

 

乳がん手術の手術の後遺症

乳房全摘と乳房再建を、運良く一度の手術で終えることができました。

あとは元気になるだけ。

しかし手術の後遺症でしばらく苦労しました。

 

お腹のつっぱり

乳房再建で、お腹の脂肪と皮膚をとって胸に移植しました。

そのため退院当初は、お腹に猛烈なひきつれを感じていました。

真っ直ぐ立つことができず、お腹をかばって背中を丸めるように立つので、腰が痛くなりました。

お腹のつっぱり感は、時間の経過とともに薄れます。

術後1ヶ月の診察の頃には、つっぱり感は残るものの、真っ直ぐ立てるようになりました。

 

腕が上がらない

左の乳頭から脇にかけてメスを入れました。

その傷跡がひきつれて、左腕が上がらなくなりました。

入院中、腕を上げるリハビリを教わって続けましたが、簡単には改善しません。

術後1月半ほどで、腕が上がらないだけでなく、後ろにも回らなくなりました。

退院直後はブラのホックを背中で止められたのが、腰に手を当てるのも無理になりました。

 

肩関節周囲炎

腕を上げるリハビリを続けていても、肩の動かし方が少ないので肩関節周囲炎(五十肩)になってしまいました。

自分で髪を洗うのも、Tシャツを頭から被って着るのも、肩が痛くて大変でした。

術後2ヶ月ほどで、夜間痛(就寝時の痛み)も出るようになりました。

一番痛みを感じるのは夜ですが、日中も何をどうやっても肩が痛くて、身の置き所がない感じです。

一日中肩が痛くて、メンタル病みそうでした。

この時は、痛みの原因が肩関節周囲炎だと気付かず、自分のリハビリが足りないのだと思っていました。

せっせとストレッチしたり千年灸をしても改善せず、乳がん手術後の肩の痛みについてググりまくるうち、五十肩であることに気付きました。

整形外科を受診してヒアルロン酸の注射を打ってもらうことで、劇的に改善しました。

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乳がん手術後の薬物療法について

生検で調べたがんの性質は、あくまで小さな組織から推測されたもの。

乳がんの術後には、手術で切り取った組織の病理診断が行われます。

  • 浸潤の有無
  • 腫瘍の大きさ
  • がんの組織型
  • がん細胞の悪性度
  • がん細胞の増殖能力
  • リンパ節への転移の有無や個数
  • 脈管侵襲の有無
  • ホルモン受容体の有無
  • HER2タンパク質の発現状況

これらを調べることで、がんの性質が確定されます。

その後は再発を防ぐため、がんの性質に応じた薬物療法が行われます。

  • ホルモン療法薬
  • 分子標的薬
  • 化学療法薬

これらを単独、あるいは組み合わせて使用します。

幸運なことに、私のがんのタイプはどれも不要でした。

乳房再建以外の、乳がんの治療という点では、乳房全摘で治療は終了しました。

今後は、術後の経過観察で通院するのみです。

乳がん術後の薬物療法で使う薬は、人によっては副作用があるようです。

5年ほど継続する必要があり、医療費もそれなりにかかるようです。

薬物療法を受けずに済んで、自分としてはかなり幸運だったと思います。

 

乳房再建その後

乳房全摘と同時に再建したのは胸の膨らみだけです。

最初の手術から7ヶ月ほどして再建した乳房が安定したところで、乳頭の再建手術を受けました。

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乳頭の再建手術は日帰りです。

健康保険3割負担の実費で25,000円ほどでした。

現在は、再建した乳頭だけ肌色で色が薄い状態です。

あと1月ほどで、乳頭にタトゥーで色を付ける手術を受けます。

 

乳がん発見から乳房全摘・同時再建の費用

乳がんの検査や手術、乳房再建にかかる費用は、人により様々です。

選ぶ再建方式や再建時期、手術の回数、病院によって異なります。

それでも乳がんと診断された方、これから乳房再建を考えている方のご参考までに、私の場合の乳がん治療と乳房再建にかかった費用をご紹介します。

検査の金額は健康保険の3割負担で私が実際に支払った金額です。

 

乳がん発見まで

コア針生検 24,000円程度

ステレオガイド下マンモトーム生検 30,000円程度

 

乳がん発見後の検査

MRI検査 10,000円程度

CT検査 6,500円程度

 

乳がん手術と同時再建

手術と入院にかかった医療費は限度額適用認定証を使ったので、実際の支払額は3割より少ないです。

そのため、この項目のみ医療費総額で記載します。

  • 乳房全摘
  • 自家組織による乳房同時再建(深下腹壁動脈穿通枝皮弁術)
  • 入院費

医療費総額 1,900,000円程度

差額ベッドやレンタル病衣、食事負担金は含みません。

 

乳頭再建

日帰りの乳頭再建手術 25,000円程度

 

現在までの乳がん治療費総額

手元の領収書を集計したところ、検査以外の外来診療など全て合計して、実際に支払った金額は52万円程度でした。

これは病院に限度額適用認定証を提出しての支払額です。

私の場合、入院が月をまたいでいるので少し高いです。

入院から退院まで同じ月内で終われば、支払額はもう少し少なくなるはずです。

なお、限度額適用認定証を利用せず高額療養費の払い戻しを受けても、負担額は同じになります。

乳がんと言われて、どの程度治療費がかかるか見当がつかないと不安です。

少しでもご参考になれば幸いです。

 

まとめ

2020年最初の記事は、乳がんについてのまとめにしたい。

そう思って、ものすごく力を入れて書いたら10日以上かかりました(笑)。

乳がんと診断されてこれからどうなるか不安な方の気持ちを、少しでも和らげることができたらと思います。

私は、乳がんで左乳房を失いました。

しかし乳がんの治療を受けることで、がんでは死なないことを知りました。

また、失った乳房を再建で取り戻せることも実体験しました。

2人に1人ががんになる時代、がんと診断された後、病気とどう付き合っていくかが大切だと感じました。

いい時代に生きられて幸せだと思います。

乳がんと診断された方、皆さんが、満足できる治療を受けられることを心より願います。

なお記事中、乳がんについての記載は、私個人の経験です。

治療効果や費用等一切、個人の体験に基づくものであることをご了承ください。

 

以上、本日は

乳がん治療の医療費は?乳がん発見から手術(乳房全摘と同時再建)退院まで全報告

という話題でした。

お読みいただき、ありがとうございます。

乳がん治療するのに何が一番辛かった?

手術で自前の乳房なくなったのより、肩が痛いのがとにかく辛かったよ~

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