こんにちは、さくさくです。
昨日は高額療養費制度まとめの記事にたくさんのアクセスをいただき、ありがとうございました。
高額療養費制度は保険診療の医療費が高額になった時、払い戻しを受けられて負担を軽減してくれるありがたい制度です。
そして医療費が高額になりそうな時には、支払いの負担を軽減する制度がもう一つあります。
それが限度額適用認定証です。
事前に手続きして、限度額適用認定証を利用することで、窓口での支払いを、保険診療の3割負担(6歳から69歳の一般的な負担率)から自己負担限度額にとどめることができます。
- 限度額適用認定証とは
- 限度額適用認定証見本
- 自己負担限度額について
- 実際の窓口負担額計算例
- 限度額適用認定申請書の記入例
- 限度額適用認定証申請時の留意点
- 限度額適用認定についてよくある質問
- Q1:入院することになりました。医療費が高額になりそうで心配です。支払いの負担を減らすことはできますか?
- Q2:70歳以上ですが、高額な医療費を払うことになりそうです。70歳以上でも限度額適用認定証の手続きをした方がいいですか?
- Q3:退院しました。その後の通院でも高額な医療費を支払うことになりそうです。入院した時のように限度額適用認定証で負担を減らすことはできますか?
- Q4:月初めに通院した時は限度額適用認定証がありませんでした。月の途中で限度額適用認定証の交付を受けましたが、この場合、どうなりますか?
- Q5:同じ月に複数の病院に入院しました。それぞれで自己負担限度額を支払った後の手続きは?
- Q6:医科と歯科のある病院で、両方の診療を受けた場合はどうなりますか?薬局ではどうですか?
- Q7:同じ月に同じ病院で入院と外来がありました。支払いの取扱はどうなりますか?
- Q8:限度額適用認定証を使う予定がなくなりました。手元にある限度額適用認定証は処分してもいいですか?
- 限度額適用認定証についての問い合わせ先
- まとめ
限度額適用認定証とは
病気や怪我で入院して、退院する時の精算で、高額な請求を受けることがあります。
最近は医療機関でもクレジットカード対応のところが多いけど、それでも金額見るとドキッとしますよね💦
既に3割負担で高額な医療費を支払った場合は、あとから申請して、自己負担限度額を超えた金額の払い戻しが受けられる「高額療養費制度」があります。
加入している医療保険によりますが、概ね3~4ヶ月程度で高額療養費として支給されるようです。
しかし家計のやり繰り的には、3~4ヶ月も医療費を立て替えておくって大変ですよね。
入院の予定があるなど前もって高額な医療費を支払うことになりそうだと予想できる時は、事前に手続きして限度額適用認定証の交付を受けることができます。
医療機関の窓口で限度額適用認定証と保険証を提示すると、
ひと月 (月の初めから終わりまで)の窓口での支払いを、高額療養費制度で定められた自己負担限度額までにすることができます。
注1:差額ベッド代などの保険外負担や、入院時の食事負担額等は自己負担限度額の計算に含まれません。
注2: 同じ月に入院と外来など複数の受診がある場合は、高額療養費の申請が必要になることがあります。
出典:医療費が高額になりそうなとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
限度額適用認定証見本
限度額適用認定証とはこのような書類です。
公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など。以下「医療保険」と表記します。)に、限度額適用認定申請書を提出して交付を受けることができます。
自己負担限度額について
自己負担限度額は医療保険被保険者の所得区分によって異なります。
69歳以下の方の限度額
※表中の医療費とは、保険適用された診察費用総額(保険点数×10)です。
70歳以上の方の限度額
※表中の医療費とは、保険適用された診察費用総額(保険点数×10)です。
実際の窓口負担額計算例
69歳以下で「所得区分ウ」に該当する場合の計算例です
- 1ヵ月の保険適用された診察費用総額(10割)が100万円
- 69歳以下の方の上限額の表で所得区分ウ
- 窓口負担割合は3割
限度額適用認定証を提示しない場合
300,000円(3割負担)を医療機関の窓口で支払います。
医療費を支払ったで高額療養費を申請すると、212,570円が払い戻されます。
差引87,430円が自己負担となります。
自己負担限度額計算式
80,100円+(医療費1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
限度額適用認定証を提示した場合
窓口で87,430円(自己負担限度額)の支払いです。
すでに自己負担限度額に負担が軽減されているので、高額療養費申請の手続きは不要です。
限度額適用認定証と高額療養費どっちが得なのか
1.事前に限度額適用認定証を入手して医療機関の窓口で提示する
2.医療費支払い後に高額療養費の支給申請をする
1と2のどちらでも最終的な負担額は同じです。
付加給付・医療費助成制度がある場合も←追記しました
・健康保険組合によっては、組合独自の「付加給付」があります。
上で説明した共通の額より低い自己負担上限額を設定しているところがあります。
・自治体によっては、独自の医療費助成制度があります。
医療機関の窓口で支払う金額が、高額療養費の負担の上限額より低くなる場合があります。
限度額適用認定証交付後の手続きについては、加入してる医療保険や住民票のある自治体で確認してください。
70歳以上75歳未満の方の限度額適用認定証について
平成30年8月診療分から、70歳以上の方のうち
所得区分が現役並みⅠ及び現役並みⅡの方
・限度額適用認定証
・健康保険証
・高齢受給者証
を医療機関窓口に提示して、支払いを自己負担限度額までにすることができます。
所得区分が一般及び現役並みⅢの方(限度額適用認定証はありません)
・健康保険証
・高齢受給者証
を医療機関窓口に提示して、支払いを自己負担限度額までにすることができます。
限度額適用認定申請書の記入例
協会けんぽの限度額適用認定申請書の記入例です。
基本的な記入事項はどの医療保険も同じですが、不明点があればご自分の医療保険保険者にお問い合わせください。
PDFで大きく見たい方はこちら
健康保険限度額適用認定申請書 | 申請書のご案内 | 全国健康保険協会
限度額適用認定証申請時の留意点
1.協会けんぽに申請する場合、被保険者が低所得者に該当すると書式が違います。
「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」という書類を提出してください。
2.限度額適用認定証には有効期間があります。
協会けんぽの場合、最長で1年間の範囲です(申請書を受け付けた月の1日が起算日です)。
しかし、ご自身の加入している医療保険によって取り扱いが異なることがあります。
申請時に、ご自分の医療保険保険者に確認・お問い合わせください。
→我が家の加入している健保組合は、有効期限が最長6ヶ月だったので、この記事書くまで最長1年のところがあるとは知りませんでした。
3.申請書受付月より前の月の限度額適用認定証の交付はできません。
日程に余裕を持ってご提出ください。
→入院が決まったり、通院でも高額な治療の予定がある時は、早めに申請した方がよさそうです。
限度額適用認定についてよくある質問
Q1:入院することになりました。医療費が高額になりそうで心配です。支払いの負担を減らすことはできますか?
69歳以下で医療費が高額になりそうな場合は、事前の手続きで健康保険限度額適用認定証の交付を受けることができます。
病院等の窓口で健康保険限度額適用認定証と保険証を一緒に提示すると、支払う医療費を保険診療の3割負担から自己負担限度額まで減らすことができます。
Q2:70歳以上ですが、高額な医療費を払うことになりそうです。70歳以上でも限度額適用認定証の手続きをした方がいいですか?
70歳以上で、所得区分が現役並みⅠ、現役並みⅡに該当する方は、限度額適用認定証の手続きをして、医療機関の窓口で健康保険証、高齢受給者証と一緒に提示してください。
そうすることで自己負担限度額までの支払いにすることができます。
所得区分が一般、現役並みⅢの方は、限度額適用認定証の手続きは必要ありません。
Q3:退院しました。その後の通院でも高額な医療費を支払うことになりそうです。入院した時のように限度額適用認定証で負担を減らすことはできますか?
通院でも限度額適用認定証を利用することができます。
ただし、限度額適用認定証の適用は保険医療機関(入院と通院もそれぞれ別)、保険薬局等ごとの計算になります。
同一月に入院や外来で各々21,000円以上の自己負担額があって合計金額が自己負担限度額を超えるときは、「高額療養費支給申請書」を提出して医療費の払い戻しを受けることができます。
Q4:月初めに通院した時は限度額適用認定証がありませんでした。月の途中で限度額適用認定証の交付を受けましたが、この場合、どうなりますか?
同一医療機関での外来診療は、窓口へ限度額適用認定証を提示したタイミングで2とおりに分かれます。
限度額適用認定証を交付された後
①同月中に外来診療を受けて、医療機関窓口に限度額適用認定証を提示した場合。
⇒同じ月のあいだは、さかのぼって適用されます。同じ月の提示前に窓口で支払った金額も合わせて病院で精算してもらえます。
②同月中に外来診療がなく、医療機関窓口に翌月限度額適用認定証を提示した場合。
⇒前月以前の適用を受けることはできません。医療機関での精算は行われません。
限度額適用を受けられず精算されなかった診療分は、「高額療養費支給申請書」を提出して払い戻しを受けることができます。
Q5:同じ月に複数の病院に入院しました。それぞれで自己負担限度額を支払った後の手続きは?
限度額適用認定証の適用は
・保険医療機関ごと
・入院と外来は別
となっています。
複数の病院に入院して、それぞれで自己負担限度額を支払った場合は、高額療養費制度による払い戻しを受けることができます。
Q6:医科と歯科のある病院で、両方の診療を受けた場合はどうなりますか?薬局ではどうですか?
同じ病院内の医科・歯科両方で診療を受けると、複数の医療機関で診療を受けたのと同じ取扱いになります。
保険薬局については、同じ医療機関から、同じ月に発行された処方箋の調剤費用のみ合算する取扱になっています。
Q7:同じ月に同じ病院で入院と外来がありました。支払いの取扱はどうなりますか?
医療費の計算上、外来と入院は分けて計算します。
限度額適用認定証も、外来と入院それぞれで適用します。
なお、限度額適用認定証の適用を受けた月に、違う診療で、 21,000 円以上の窓口負担があったときは、後から高額療養費として払い戻しを受けることができます。
Q8:限度額適用認定証を使う予定がなくなりました。手元にある限度額適用認定証は処分してもいいですか?
限度額認定証を使わない場合は保険者へ返却してください。
有効期限を過ぎた限度額認定証も同様に保険者へ返却してください。
限度額適用認定証についての問い合わせ先
どの医療保険制度に加入しているかで変わります。
まずは、手元の被保険者証で、保険者の名前を確認して下さい。
「○○健康保険組合」「全国健康保険協会」「○○共済組合」と書かれている
→ 記載されている保険者までお問い合わせ下さい。
「○○国民健康保険組合」と書かれている
→ 記載されている国民健康保険組合までお問い合わせ下さい。
市区町村名が書かれている
→ 記載されている市区町村の国民健康保険の窓口までお問い合わせ下さい。
「○○後期高齢者医療広域連合」と書かれている
→ 記載されている後期高齢者医療広域連合までお問い合わせ下さい。
まとめ
限度額適用認定書について、どういうものか・手続方法・医療費軽減の仕組みなどまとめました。
限度額適用認定証は医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)の保険者ごとの手続きになります。
医療保険によって若干手続きが異なることがあるようです。
医療費が高額になりそうな時、まずはご自分の医療保険のHP等で確認することをおすすめします。
限度額適用認定証とあわせて知りたい高額療養費制度についてはこちら。
この記事は協会けんぽの「医療費が高額になりそうなとき」を参考にさせていただきました。
わかりやすい説明、ありがとうございました。
以上、「限度額適用認定証まとめ~事前の手続きで、医療費が高額になった時、窓口での支払いを自己負担限度額に減らすことができます」という話題でした。
お読みいただき、ありがとうございます。